以下は反対討論の内容です。
道路特定財源の維持に関する意見書に反対の立場で討論します。
道路特定財源の見直しについては、一昨年12月8日の閣議において道路特定財源について、これまで、その全額を道路整備に充てなければならないとされてきたものを、「真に必要な道路整備は計画的に進める」、「一般財源化を前提とした国の道路特定財源全体の見直しについては、税率を維持しながら、納税者の理解を得ることとの整合性を保ち、税収の全額を、毎年度の予算で道路整備に充てることを義務付けている現在の仕組みはこれを改めることとし、20年の通常国会において所要の法改正を行う。また、毎年度の予算において、道路歳出を上回る税収は一般財源とする」等の方針が定められました。
これは、半世紀にわたり続いた制度を改める画期的な改革で、これにより、今後、道路特定財源については、毎年度の予算において、真に必要な道路整備を進めつつ、これに要する財源を上回る税収については、使途の限定なく、各種の経費に使われることとなり完全では無いものの道路特定財源の一般財源化の方向が決まったものです。
ところが、二〇〇八年度予算案では、道路特定財源の国費分三兆三千三百六十六億円のうち、一般財源化は前年度比約百億円増の千九百二十七億円にすぎません。
道路特定財源については、その使途が特定されているため、不要な公共事業としてキツネやタヌキしか通らない道路ばかり作っているという極端な議論も聞かれます。今後必要な道路に59兆円が必要とされていますが、その根拠となった交通量予測はずいぶん前の数字をもとにしたもので、新しい交通量の予測では数字が小さくなっています。今日の財政事情は破局的と言われるほど厳しい状況であり、道路整備に特定した財源を保有するような余裕はありません。財政難による福祉の切り捨てや、税方式の見直しなどによる重税感など国民に大きな負担が強いられています。このようなときに税収の貴重な財源の使途は、真に必要なものに優先して当てられるべきであって、道路特定財源の様に使途を特定する財源を保有すべきではありません。道路や関連整備への投資はその財源が特定財源として担保されていなくとも、それが真に必要なら予算措置をすれば良いのです。道路に投資すべきか教育や社会保障に回すべきか等の選択は政策として決定すべき事です。最近の世論調査では実に59%もの人が一般財源化に賛成しています。
自治体がこぞって特定財源の維持を表明していますが、これも従来から地方での裁量の余地を拡大して欲しいと主張したことに矛盾します。とにかく財源は従来通り確保したいとの一念にしか思えません。
暫定税率の廃止については慎重にならざるを得ません。本来暫定と言って数十年も続くものは最早暫定ではありませんが、昨今の厳しい財政運営の中で、それを唯一の理由にして廃止を主張するのはいかがと思います。一部環境税とするなど当面この税率に相当するものは確保すべきと考えます。又一般財源化に伴う受益者負担の問題については酒税やたばこ税なども普通の税以上に徴収されていますがそれらは一般財源で特定財源ではありません。更にガソリンを使うドライバーだけが負担しているのかと言えば必ずしもそうとは言えません。ガソリンの価格は運賃に影響し、今は宅配便など交通輸送の便益を受けていない人は少数で、多くの国民は間接的にこの税金を負担していると言えます。
以上、道路特定財源の一般財源化を主張し、当面暫定税率は維持し環境税への転換等恒久税とすることに国民の理解を求めるべきです。