2001年4月にスタートした小林事務所主催の万葉講座は昨年12月の講座で59回を終えました。講師の大高先生の万葉集に対する熱い思いが受講生にもしっかり伝わり、今では毎回20人以上が参加する人気講座になりました。
今日はその講座の新年会でした。前半1時間は新年にふさわしい歌を4首勉強しました。
京都祇園八坂神社のおけら祭り
恋しけば 袖も振らむを 武蔵野の うけらが花の 色に出なゆめ
(あなたがそれほどに想ってくださるなら、私のほうから袖を振ってお応えします。
ですから武蔵野のうけらの花のように恋しあっていることをそぶりに出さないでくださいね。)
うけら(オケラ)は秋に山野で咲き、いつ咲いたかいつ咲き終わったかわからない咲き方をするそうです。
勉強の後はお世話役の方のご配慮でおいしい昼食をいただきながら、歓談しました。
今年は例年通り5月の日帰り万葉バス旅行。そして10月には白浜へ1泊の万葉旅行が計画されています。
新年会を終えて次は100人委員会主催の「紅茶セミナー」へ駆けつけました。
講師はスリランカ出身のウダヤさん。ストレートティーとミルクティーのおいしい入れ方を伝授くださいました。
ミルクティーに使用した「キャラメル」という紅茶は煮出すとあのキャラメルの甘い香りがして、その後注いだミルクが鍋肌で泡が出てきそうになったところで火をとめました。
とってもおいしいミルクティーが出来ます。お試しください。
講座では紅茶だけでなくスリランカの情報も合わせて伝えてくださいました。
世界で始めての女性首相を出した国であることや1900万人の国民のうち85㌫が仏教徒であること。昔はセイロンと呼ばれていたことなどです。
ちなみにスリランカでは朝の紅茶は男性が入れるそうです。
奥琵琶湖~若狭~敦賀へ(10月7日、8日)
秋の連休を利用して万葉の地を訪ねる旅は回を重ね、今回は昨年の武生、高岡、氷見市に続いて日本海へと向かいました。
初日はお天気にも恵まれ「あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る」(額田王)、
「紫草(むらさき)の にほえる妹を 憎くあらば 人妻ゆえに 我恋ひめやも」(大海人皇子)
の舞台となった東近江市辺町 船岡山山麓のレリーフのあるところからスタートしました。
手を振っているのが大海人皇子(おおあまのみこ)、紫の衣をまとっているのが額田王。今は兄の天智天皇の妻となっていますが以前は自分の妻であった人です。
1300年前の万葉人も現代に生きる私たちも、変わらぬ心をもった人間である事がよくわかる歌だと思います。
その後メンバーは磯崎神社前、麻妻湊、津里の歌碑を訪ね、先生の名調子を聞き今日のクライマックスの五幡(いつはた)・田結の歌碑の前にたたずみました。
到着した宿では温泉と新鮮な大船盛りのおつくりを堪能しました。
翌日は万葉集だけでなく小浜市出身の山川登美子の歌碑を求めて散策しました。
与謝野鉄幹をめぐって晶子とライバル関係にあったとされる登美子には婚約者がいたため、その人と結婚しましたが、夫と同じ結核で29歳でこの世を去りました。
小浜公園入り口には「髪ながき 少女と生まれ しろ百合に 額(ぬか)は伏せつつ 君をこそおもえ」の歌碑があり公園中腹には「幾ひろの 波は帆を越す 雲に笑み 北国人と うたわれにけり」の歌碑があります。
歌壇では登美子を「しろ百合」に、晶子を「しろ萩」にたとえていたそうです。
2日目はあいにくの雨模様でしたが、山々から霧が立ち上り日本海の濃い海の色とともに忘れがたい景色を展開してくれました。
今年も幼稚園、小学校、中学校の運動会や体育大会の見学に行きました。
毎年のことですが、子ども達と接すると元気を貰います。
何回も練習し当日保護者の皆さんに披露していましたが、思った通り出来たのでしょうか。
小学校や中学校では教室の乱れがあると聞いていますが、運動会や体育大会を見学してその様なことが実際にあるのか、不思議に思ったぐらいです。
7年前の6月、私は中学校の同級生と三人で、ドイツ旅行をしました。
私にとっては初めてのヨーロッパ旅行で古いものを大切に保存し、かつ中身は快適に住めるよう工夫していくという「石の文化」の一端に触れ、歴史の重みにも気づいた旅となりました。今回その隣に住むドイツ人が、来日するというので奈良を案内しました。私たちがドイツを訪問した時は、ミュンヘンの博物館を案内してくれた二人で、半年ぶりの再会を喜びあいました。二人は8月20日から20日間の休暇で、内一人は仕事の都合で、あと一週間長く日本に滞在する予定です。
当初は通訳の人をお願いする予定でしたが、言葉が不自由でも思いは通じるとのドイツ人の意向で、私と夫の二人が彼らの希望で信貴山、法隆寺、中宮寺を案内しました。彼らはひとりが大学教授、ひとりが博物館学芸員で、来日前に日本のことは随分勉強してきたそうです。信貴山さんでは、日本語のリーフレットばかりで、十分な説明はできませんでしたが、大和平野を一望できる眺望は、素晴らしいものでした。
法隆寺では日本語のボランティアガイド高谷さんに案内していただき、いろいろなことを学び発見しました。高谷さんから聞いた事をつたない英語で伝えようとするのですが、すぐには言葉がなかなか出てきません。お互い推測しあって、単語で確認しました。英語での案内ボランティアも、おられるのですが、当日は午前中で、帰られたとの由。せっかくの機会でしたのに残念でした。でも、ボランティア高谷さんがスクラップブックの写真を示したり、玉虫厨子の前では、実際の玉虫の雄と雌の標本を示して、鮮やかなグリーンを教えてくださるなどしてくださったおかげで十分理解できたことと思います。
彼らを案内するための1日でしたが、私たち夫婦にとても思い出深い一日となりかえって彼らに感謝する日となりました。